問い

顧客は「何」にお金を払っている?
図解
払っているのは、商品を通じて実現したいこと

同じコーヒー1杯でも、払う理由は人や場面によって違う。出社前に頭を切り替えたい朝、1時間だけ静かに集中したい午前、友人とゆっくり話したい休日。顧客がその場面で片づけたいことを、ここでは「用事」と呼ぶ。顧客は、商品を通じて実現したいことや、得られる体験にお金を払う。味そのものを楽しむことも、その一つだ。
図解
価値提案は「誰の、どんな用事を、どう片づけるか」の約束

価値提案とは、誰の、どんな用事を、どう片づけるかの約束。商品の説明ではなく、顧客にとっての結果を約束する。カフェ・ミドリなら「近所で働く人に、午前中に静かに集中できる席と、毎日飲んでも飽きない一杯を」(説明用の仮定)。この1文が決まると、何を大事にするかが見えてくる。静けさを約束するなら、予約の人数や利用時間帯をどうするかを判断する手掛かりになる。
図解
顧客は、得られる良さと負担を見比べる

顧客は、得られる良さと、お金・時間・手間の負担を見比べる。得られる良さは、用事が片づくことと、そのときの気持ちよさ。負担は値段だけではない。遠い、待たされる、注文が分かりにくい、も負担だ。良さが負担を上回ると、その店は選ばれやすい。得られる良さを保ちながら負担を減らすことも、価値を高める方法になる。
図解
価値提案に合わせて、提供するものを整える

価値提案が決まると、店で整えるものが決まる。「午前中に静かに集中できる席」を約束するなら、席の配置と電源、混む時間帯の静けさ、そして毎日飲んでも飽きない一杯(説明用の仮定)。提供するものは、約束から逆算して並べる。約束と提供するものがずれていると、顧客は払う理由を見失う。
具体例
カフェ・ミドリの常連10人に聞いた(架空の店・説明用の仮定)
店主は豆にこだわっていて、コーヒーの味に払ってもらっていると思っていた。常連10人に「今日はなぜここに来たか」を聞くと、7人は「午前中に静かに仕事ができる席」、2人は「店主との会話」、1人が「豆の味」と答えた。この10人の回答では、静かに仕事ができる席が多く挙がった。店主は、席の使いやすさや混む時間帯の静けさも確かめることにした。ただし、味の大切さが低いと分かったわけではない。最初に挙げた理由がすべてではないし、常連以外の客のことはまだ分からない。
クイズ

次の電車まで10分。ある客は「注文から2分で提供」という案内を見て、駅前の立ち食いそば屋に入りました。この場面で、客が特に求めていると考えられる価値は?(説明用の仮定)
ひとことで言うと
顧客は、商品を通じて実現したいことや得られる体験にお金を払う。価値提案とは、誰の、どんな用事を、どう片づけるかの約束。
