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問い

3年かけた。それだけで、続ける理由になる?

図解

使ってしまったお金と時間は、どちらを選んでも戻らない

すでに使った3年と2億円は続けても止めても戻らないものとして、これから決まる1年と5,000万円と発売後に得られるものと分けて示した図

ミナト食品の新商品「冷凍おかず」は、開発に3年と2億円をかけて、まだ発売に至っていない(説明用の仮定)。この3年と2億円は、続けても止めても戻らない。すでに使って、どの選択をしても戻らない費用や時間を、サンクコスト(埋没費用)と呼ぶ。続けるか止めるかで変わるのは、これから使う費用と時間、そしてこれから得られるものだ。これまでに得た技術や情報は戻らないものではなく、今後の見込みを考える材料になる。

図解

比べるのは、選択によって変わる、これからの費用と得られるもの

開発を続ける場合と止めて増産する場合を、これから必要な費用・これから得られるもの・確かめる条件の3段で比べ、すでに使った3年と2億円はどちらの列にも入れないことを示した図

続けるか止めるかを決めるとき、比べるのは、その選択によって変わる、これからの費用と得られるもの。続けるなら、追加の開発費と、発売後の製造や販売の費用を使い、新商品の販売で得られるものを見込む。止めて別の商品の増産に回すなら、増産に必要な費用を使い、増産で得られるものを見込む(中止そのものに追加の費用はかからないと仮定する)。どちらも、期間と売れる見込みをそろえて比べる。3年と2億円は、どちらの列にも入らない。「もう2億円かけたのだから」は、続ける理由にも止める理由にもならない。

図解

それでも、続けたくなる

損をした気がする・努力を無駄にしたくない・失敗を認めたように感じるという3つの理由から、戻らないものを判断に入れてしまう流れを示した図

頭では分かっていても、続けたくなる。止めれば2億円を捨てたように感じる。3年間の努力を無駄にしたくない。やめると、失敗を認めたように感じる。こうした気持ちが働くと、戻らないものを判断に入れてしまいがちだ。すでに費用をかけたことが、続ける判断を後押しする傾向は、実験でも報告されている。気持ちそのものは自然で、問題は、それが表の外にある数字を表の中に持ち込むことだ。

図解

「あと少しで」を確かめる3つの問い

今ある技術や情報から何が見込めるか、続ける場合と止める場合にどんな費用や時間が要るか、人と予算を別に使うと何が得られるか、の3つの問いを並べた図

「あと少しで完成する」と感じたら、3つの問いを立てる。今ある技術や情報から、続けると何が得られると見込めるか。続ける場合と止める場合、それぞれ今後どんな費用や時間が要るか。人と予算を別に使う場合、何が得られるか。3つとも、これからだけを見る問いだ。これまでに得た技術や情報は、今後の見込みを考える材料になる。すでに使って戻らない金額を、続ける根拠にしない。問いを並べると、これまでの支出と、これからの見込みを分けて考えやすくなる。

具体例

ミナト食品の会議(架空の会社・説明用の仮定)

会議で担当役員はこう言った。「3年と2億円をかけた。ここでやめたら、全部が無駄になる」。あなたは表を2列で描き直した。開発を続ける:追加の開発費と発売後の費用を使い、新商品の販売で得られるものを見込む。止めて増産に回す:空いた人と予算で、売れ始めている別の商品を増産する費用を使い、増産で得られるものを見込む。2億円はどちらの列にも書かなかった。会議では、双方の費用と得られるものを、同じ期間で見積もることになった。比べる範囲がそろったところで、判断はここから始まる。

クイズ

映画館で2,000円を払って入った映画が、30分見たところで退屈だと分かりました。途中で出ても、料金は返金されないものとします(説明用の仮定)。残り90分をどうするか決めるとき、比べるべきものは?

ひとことで言うと

サンクコストとは、すでに使って戻らない費用や時間。選択肢は、その選択によって変わる、これからの費用と得られるもので比べる。

意思決定・思考法

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