問い

賃上げ3%・物価上昇3%。買える量は増えた?
前提:インフレとデフレ
図解
金額で見るか、物価を考慮して見るか

物価が上がると、同じお金で買える量は減る。では、給料も増えたらどうだろう。名目とは、金額そのもの。実質とは、物価の変化の影響を取り除いた見方で、給料なら「その金額で買える量」に注目する。給料を物価の変化を考慮して見たものが、実質賃金だ。
図解
賃上げ3%・物価3%なら、買える量は同じ

給料が30万円から30万9千円に増えた(説明用の仮定)。同じ買い物にかかる金額も3%増えていれば、買える量は同じ。増えたのは名目で、実質は変わらない。見当をつけるだけなら、「実質の伸び ≒ 名目の伸び − 物価の伸び」で足りる。3% − 3% = 0%。
図解
数字が増えても、買える量が減ることがある

賃上げが2%、物価が3%なら(説明用の仮定)、実質は約−1%。給料の数字は増えたのに、買える量は減る。数字が増えると「豊かになった」と感じやすいが、物差しを買える量にそろえると、逆のこともある。給料の話をするときは、名目か実質かを先に確かめる。
図解
貯金も、金額と買える量で見る

貯金も同じ物差しで見る。通帳の数字は名目。元本と利息を合わせたお金で買える量が実質だ。利息が1%付いて100万円が101万円になっても、物価が3%上がれば、買える量は約2%減る(説明用の仮定)。金利も、この物差しで見ると見え方が変わる。
具体例
2023年の給料と物価
厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、2023年の名目賃金(労働者1人当たりの平均の現金給与総額。賞与や残業代を含み、税や社会保険料を引く前)は前年より1.2%増えた。一方、物差しに使う消費者物価(持家の帰属家賃を除く総合)は3.8%上がり、実質賃金は2.5%減った。前のテーマとは、使っている物価指数の種類が異なる。給料の数字は増えたのに、この指数で測ると、その給料で買える量は減った計算になる。実際の影響は、給料の伸び方や何を買うかによって異なる。
クイズ

今年の給料は去年より5%増え、物価は2%上がったとします(説明用の仮定)。給料で買える量は、去年と比べてどうなった?
ひとことで言うと
名目とは金額そのもの、実質とは物価の変化を考慮した見方。同じ金額でも、買える量は物価で変わる。
